スティーヴン・キング『心霊電流』

スティーヴン・キング『心霊電流』(峯村利哉 訳 文藝春秋 2019/1月刊)漸く読。

https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163909653

https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163909660

【"恐怖の帝王"が怪奇小説の巨匠たちに捧げた『悪霊の島』以来、10年ぶりの恐怖小説大作。あなたの心は、恐怖と悲しみで破ける。】──版元PR栞より

f:id:domperimottekoi:20190530141800j:plain

〈退職刑事ホッジス〉シリーズ(『ミスター・メルセデス』『ファインダーズ・キーパーズ』『任務の終わり』全て文藝春秋刊)の間隙に書かれたと言うホラー長篇。巻頭からH・P・ラヴクラフト&C・A・スミス&A・ダーレス&D・ワンドレイ&F・ライバー&R・ブロックら〈某系〉作家陣への献辞 +某有名2行連句が期待煽る。ある「元・少年」の回想体によるビルドゥングスロマン的様相を成し 幼時から50代に至るまで家族とその周辺群像をも巻き込んでの波瀾と遍歴──音楽への傾倒・麻薬耽溺・関わる人々の命運と死etcetc…──が縷々綴られ その過程の随所で主人公ジェイミーに強い影響を及ぼすある聖職者の影が終始付き纏う。この人物の背後には果たして何が?──マッドサイエンス? orカルト教義? or心霊呪術? or…???… 〈電気〉なるものへの異常執着+巻頭献辞に挙がるM・シェリーの名からある方向が予感されるが 〈某有名魔道書〉の存在が浮上してくるあたりで予断を許さなくなり 軈て終局の怒濤の大悪夢へと… 過半までは寧ろホラー味の薄い成長物語とも読めるため それをどう落としてくるのかとやや危惧なきにしもだが そう感じさせる書き方までが全て伏線だったことを顕現させる剛腕と洞察は流石としか。なお本書原題はRevival──そう言えば献辞に名前のある某作家にもタイトルに印象的な〈Re-〉を含む重要作があり…

 

心霊電流 上

心霊電流 上

 
心霊電流 下

心霊電流 下

 
心霊電流 上 (文春e-book)
 
心霊電流 下 (文春e-book)
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

.